我が家には妹がことのほか可愛がっていたコロという犬がいました。
数匹生まれた中でも、毛が白黒で、バランスよくぶちに入っていて、雑種でしたが愛らしいというのがぴったりの赤ちゃんわんこでした。
生まれた時から妹がものすごく可愛がり、コロが弱かったこともあり、いつも目を離すことなく、お風呂に入るのも一緒、(毎日ではありませんが)布団に入れて寝るのも一緒。
コロを人間のように扱っていました。妹はとても天然で、おっとりでドジな子です。
コロも何気にそっくりで妹が前を見ず歩いていて電柱にぶつかりそうになったり、階段を踏み外しそうになるなど……。
コロは犬なのにあり得ないほどドジで、妹がどこかへ急いで行く時など慌てて後を追い、壁にぶつかりそうになったり、床を滑ったりしていました。
そんなコロが冬のある日、いなくなり妹が大慌て。
皆で手分けして探しましたがどこにもいなくて妹は大泣き。妹の泣き方が尋常でなかったので、もう一度皆で……。
兄がコロを見つけたらしく妹を呼びました。何か悪い物を口にしたのか地続きになっていた場所から登ったようで、中二階になっていた屋根の上で死んでいました。
見つかった時にはまだ温かく、妹はコロを抱きかかえて「まだ死んでないよ。
まだ死んでないよ。コロを助けて」といつまでも泣いていました。
今でもその時の光景は忘れていません。